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チアゴ・マルチンス、横浜F・マリノス退団濃厚に。畠中槙之輔が“相棒”への思い語る「また一緒にピッチで」

text by 編集部 photo by Getty Images

畠中槙之輔 チアゴ・マルチンス
【写真:Getty Images】



 横浜F・マリノスは2日、DFチアゴ・マルチンスが移籍を前提にした海外クラブとの交渉・調整のためチームを離脱したと発表した。

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 同選手は2018年夏にブラジルの名門パルメイラスからマリノスに加入すると、規格外のスピードと圧倒的な対人能力を武器に主軸となり、2019年にはJリーグ優勝の立役者に。昨季までの3年半でJ1リーグ戦99試合に出場した。

 マリノスは2日にモンテディオ山形と練習試合を行い、終了後にオンラインで取材に応じたDF畠中槙之輔が「僕個人としては、すごく寂しいです」と“相棒”との別れを惜しんだ。

「2019年に一緒に試合に出続けて優勝を経験して、本当に絆も深いですし、率直な意見としては本当に悲しいですけど、いち選手ですし、彼の考えだったり、サッカーに対する想いはすごくリスペクトできる。そこはチアゴがしっかり移籍先で活躍してくれることを願って応援したいなと思います」

 畠中とチアゴはほぼ同時期にマリノスの一員となり、Jリーグ屈指のセンターバックコンビへと成長した。スピードとパワーのチアゴ、テクニックの畠中という違った武器を持つ2人の補完関係は年々洗練されていった。

 しかし、昨年8月末に畠中が負傷したことで名コンビは“活動休止”状態に。山形との練習試合で長期離脱からの復帰後初めて60分間プレーした畠中は「チアゴとセンターバックを組んで、また後ろからチームを支えたいなと思っていましたし、そのためにオフ期間もずっとリハビリして帰ってきた」というが、コンビ再結成は「叶わない願いになってしまった」。

 かねてよりセンターバックとして「独り立ち」したいと語っていたマリノスの背番号4にとって、2022年は思わぬ形で真価が試されるシーズンになりそうだ。ただ、捉え方を変えれば畠中にとって大きく成長するチャンスでもある。

「チアゴに助けられている場面、試合が今までたくさんあったので、これからは自分としても勝負のシーズンというか、自分がいままで助けてもらってきたのを、今度は自分が他の相方だったり、他の選手を助けてあげられるように、もっと成長しなければいけない部分がはっきり出てくる年だと思います。自分の成長のためだったらうれしいことですし、本当に気合いを入れて頑張りたいと思っています」

 マリノスはチアゴのチーム離脱発表とほぼ同時に、サガン鳥栖からJリーグ経験豊富なDFエドゥアルドの獲得を発表している。まだ海外移籍が正式に決まったわけではないが、いち早く代役の確保に成功し、濃厚となった守備の大黒柱との別れに備えている。

 チアゴとの「思い出は本当に数え切れないほどある」と語る畠中は、刷新されるディフェンスラインの柱となり、“相棒”との再会する未来を夢見て挑戦を続ける。

「サッカー選手としてずっとやっているなら、今後どこで再会するかわからないので、『味方なのか相手なのかはわからないけど、また一緒にピッチでサッカーをするのを楽しみにしている』と言って送り出せました。それがいつになるか、叶うのかわからないですけど、その(再会が実現した)時にしっかり、『俺はここまで成長できたんだぞ』というのをチアゴに見せつけられればいいかなと思います」

 山形との練習試合で60分間プレーした畠中は、2月19日に予定されているセレッソ大阪とのJ1リーグ開幕戦に照準を合わせている。「コンディションとしては悪くないですし、だいぶ仕上がってきています。もちろん監督に(出ろと)言われなくても、そこ(開幕戦)を目指してやってきているわけで、出るつもりでコンディションを作っています」と強い意気込みを語った26歳の完全復活とさらなる進化に期待したい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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