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日本代表 2年前

サッカー日本代表の「自作自演」はW杯本大会で致命傷になりかねない。三笘薫投入でようやく表れた「4-3-3本来の強み」とは?【分析コラム後編】

text by 龍岡歩

W杯本大会では致命傷になりかねない戦い方



 終わってみれば中盤の主力不在がもろに響いたオーストラリア代表に対し、三笘、中山、上田を初めとする交代選手の活躍で試合をものにした日本代表という構図だ。両国の総合力の差が順当にスコアに反映された2-0だったように思われる。

 だが、前半をわざわざ苦しい展開にしてしまったのは日本代表の稚拙な試合運びと、明らかに問題があるように思われる左サイドの配置のせいでもある。言ってしまえば自分達でドラマチックな試合を演出したのであり、自作自演と言われても仕方ないだろう。

 そして、後半に相手が疲れてスペースが出来てきた時間帯に三笘、中山らを投入して攻撃を活性化させる交代はこの最終予選でも何度も成功してきたパターンだ。この流れを崩したくない指揮官の気持ちも分からなくはない。

 だが終盤に帳尻を合わせるような戦い方はアジア予選では通用してもW杯本大会では致命傷になりかねない。願わくば4-3-3本来の配置の強みを活かした日本代表の戦い振りを90分見てみたい。

【了】

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