サッカー日本代表FW古橋亨梧は突出している。「得点に直結するプレー」を評価するデータ分析の新指標「OBV」【近未来のデータ分析・後編】

2022年06月06日(Mon)10時05分配信

text by 結城康平
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ゴール期待値(xG)を筆頭にサッカー界にも様々な指標が登場するようになって久しい。
「新たな数値」はこれまでの常識を非常識に変える可能性を秘めている。『フットボール批評issue36』(6月6日発売)では結城康平氏が近未来のデータを紹介していく新連載「Stats Football」がスタート。今回はその一部を抜粋して公開します。(文:結城康平)



古橋亨梧の突出したデータとは?

0529古橋
【写真:Getty Images】

 この3人(リオネル・メッシ、キリアン・ムバッペ、ネイマール)を前線に並べているPSGは、OBVにおいては最強のチームだろう。少し意外な選手としては、アタランタの攻撃を牽引したヨシップ・イリチッチが上位に名を連ねていることだろうか。どちらかというとスルーパスやミドルシュートを得意としているイリチッチが、メッシやネイマールと比較されることは少ない。

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 しかし、これだけでは面白くないだろう。ここで、20/21シーズンのOBV(ドリブルのみ)になると選手の顔ぶれが変わってくる。首位に君臨するのはイングランド代表のジャック・グリーリッシュであり、4位はベルギー代表のケビン・デ・ブライネだ。マンチェスター・シティがグリーリッシュを獲得する理由としてOBVを参考にしていたかは謎だが、そうだったとしても不思議ではない。実際に彼はアストン・ヴィラの中心選手として活躍し、低いエリアでボールを受けてから長い距離を運ぶようなドリブルを得意としていた。

 ここでOBVが示してくれるのは、単なるドリブルの成功率ではない。彼らがゴールにボールをどれくらい近づけているかという部分であり、「チームの得点に直結するドリブル」を仕掛けているか否かだ。相手のプレッシャーから逃げるのではなく、危険なエリアにボールを運べるドリブラーこそが可視化されているのだ。

 今シーズンはユヴェントスからトッテナムに加入したスウェーデン代表のデヤン・クルゼフスキが傑出した数値で評価されている。ちなみにシュートに限定したOBVでは、スコットランドリーグのストライカーでもセルティックの古橋亨梧が突出している。

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特集:参謀がサッカーチームを決める

「未来予想図」を作れない軍師はいらない

「参謀」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは“残念ながら”牧野茂だ。プロ野球・読売ジャイアンツの川上哲治監督を戦術面で支え、前人未到のV9を成し遂げたのはあまりにも有名である。組織野球の技術書『ドジャースの戦法』をそれこそ穴の開くほど読み込み、当時の日本では革新的な組織戦術でセ・パ両リーグの他球団を攪乱していった。しつこいようではあるが、サッカーチームの参謀ではない、残念ながら。

言い換えれば、すなわち日本のサッカー界で誰もがピンと来る参謀はいまだにいない、ということだ。世界に目を向けると、クロップにはラインダース、ペップにはリージョ、アンチェロッティには息子ダヴィデと、参謀の顔が瞭然と見える。今や参謀がチームの行く末を決定づけているなかで、日本ではそもそも参謀の役割すら語られることがない。日本から名参謀を生むためには、参謀の仕事をまずは理解することから始めなければならない。

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【了】

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