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日本代表 2年前

もはやサッカー日本代表の“体質”。ナンセンスな采配、なぜ中国代表戦は不発に終わったのか【西部の目/E-1サッカー選手権】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

目立つ活躍を見せたトップ下と交代選手



 クラブのコンビネーションを生かすことができない中、前半で最も良いプレーをしたのはトップ下で起用された脇坂泰斗だった。この試合、川崎フロンターレから唯一起用されていた選手である。幅のあるターン、パスのタイミングを調整する能力、威力のあるキック、組み立てで先を読む力で、クオリティを示していた。

 前半のチャンスのほとんどは脇坂のシュートかパスから。後半の立ち上がりにも、絶妙のラストパスをボックス内の細谷真大に合わせた。細谷真大はワンタッチコントロールからDFを上手く外したがシュートが枠外。この試合最大のチャンスだった。

 細谷は試合展開そのものがミスマッチだったところはある。スピードと馬力が持ち味なのだが、中国は専守防衛で前線にスペースがなかった。スペースがあればやれそうなところはカットインからのシュートで見せていたが、引かれたときにCFとして何ができるかは示せなかった。前線に張り続けて生きるタイプではなく、カットインの場面のように左右に流れてかき回したほうが持ち味は出たと思う。しかし、ようやくきっかけをつかんだところで町野修斗と交代となった。

 交代出場で爪痕を残したのは相馬勇紀だ。香港戦の活躍に続いて、この試合でも左サイドの突破で特徴を出していた。武器がドリブル突破ということもあるだろうが、わかりやすいプレーでワールドカップメンバー入りへの気概を示していた。

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