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谷口彰悟が示すサッカー日本代表としての矜持。「あまり期待されていない」日韓戦で表現する意地と責任【E-1サッカー選手権2022】

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



キャプテン谷口彰悟が日韓戦で示したいもの

 サッカー日本代表は27日、EAFF E-1サッカー選手権の最終戦で韓国代表と対戦する。



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 ここまで1勝1敗の日本代表が優勝を果たすには、2勝の韓国代表に勝たなければならない。そんな状況で日本のチームキャプテンを務めるDF谷口彰悟は必勝を誓い、「自分たちの力を証明するところは大事な部分。僕個人もきちんとしたパフォーマンスを発揮して次につなげていけるようなプレーをしたい」と意気込んでいた。

 Jリーグ屈指のセンターバックとして長く活躍し、2015年から断続的に日本代表に選ばれてきた谷口だが、ピッチに立てば初めての日韓戦ということになる。2015年と2017年のE-1サッカー選手権を経験していながら、2大会とも日韓戦はベンチで試合を見届けるしかできなかった。

 メンバーに入れずテレビで見るしかなかった2021年に3-0で日本代表が勝利した日韓戦からも強い刺激を受けている。自らが宿敵との大一番を迎えるにあたって「昂りは自分の中でも感じている。ある程度のプレッシャーも感じている。非常にいい緊張感の中で過ごせているかなという思いが正直なところ」と谷口は語る。

 そのうえで「楽しみな部分も大きい。初めて日韓戦をやれる可能性があるので、まずは絶対に勝ちたい。その思いが一番強い」と続ける。

「みんなも同じ熱量を合わせながら戦っていきたいと思います。(韓国は)長年戦ってきて、お互いがお互いを意識しながらやっている国。絶対に勝たなければいけない、絶対に負けるなというのは伝わってきます。それは自分たちも周りからも。それをピッチで表現したい」

 今大会は日韓両国とも国内組の選手がチームの大半を占めており、両国リーグのプライドを賭けた戦いにもなる。日本代表としてはJリーグの価値や実力を改めて見せつける大きなチャンスだ。

 キャプテンとして、谷口は「Jリーグにも素晴らしい選手がたくさんいることを証明したい」と力強く語った。その思いは、チームメイトたちにも直接伝えている。日本代表は海外組がいるから強いのではなく、「俺たちでもできるんだよ」と。

「今回はJリーグ組だけで集まっていますし、海外でやっている選手を呼べない大会。たくさんの選手がチャンスをもらえて、初招集の選手もたくさんいます。久々の選手もいる。いろいろな選手がいる中で、国内組だからとか、周りからあまり期待されていないような雰囲気もちょっと感じます。

でも、Jリーグにも素晴らしい選手がたくさんいることを証明したかったし、証明していかないといけないと思っていたし、それが実際にできるメンバー揃ったと思っています。『俺たちだけでもできることを、口だけでなく、内容と結果で示していかないといけない』ということをみんなに伝えたかった。

言わなくてもみんなそういう思いでやっているし、ここに集まって終わりだけでなく、今後、それぞれJリーグのクラブに戻ってやっていきますけど、代表に参加した選手として見られることで成長の度合いが変わる。その先の9月の代表やワールドカップを見据えながらやっていかないといけない」

 谷口自身もカタールワールドカップアジア最終予選を戦い、「日本代表」の一員として日々過ごすことで、様々な変化を実感しながら成長できている。今大会のチームメイトたちにも、日本代表としての誇りや責任を感じながら、さらなる成長のきっかけをつかんでもらいたいようだ。

「僕自身、昨年から(日本代表に)呼ばれるようになって、もちろん全部出たわけではないですし、出られない試合の方が多かった。その中でも代表としてエンブレムをつけて活動することは、これ以上ない仕事だなと思いながら充実感を持ってやれていました。

1日1日が勝負だし、自分に出番が回って来なくても最善の準備をすることなどを常に考えながらやり続けられたことで、サッカー選手としてすごく成長できたなと感じています。一緒に練習するだけでもいろいろな刺激をもらえる場所です。新たな発見や自分の強みは通用するなということも感じたし、もっっとこういうところを伸ばさないと残っていけないなと思うところもあった。

そういう刺激をもらいながらやれているので、素晴らしい環境でやらせてもらえてすごく感謝しています。そういった思いを抱かせてくれる場所が代表であり、今回初招集された選手も、代表の重みや責任感を感じて成長につなげていく機会にしなければいけないと、自分が率先して伝えていけるように。今はそういう気持ちでいます」

 初の日韓戦で示すのは、日本代表としての実力だけではない。意地やプライドをどんな形で表現するかも勝敗に影響してくるだろう。キャプテンの腕章を託された谷口は、先頭に立ってチームをタイトルへ導いていく心算だ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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