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藤田譲瑠チマ「いつも通りやって」2得点に関与。横浜F・マリノスでの進化を証明、サッカー日本代表初招集でつかんだ自信【E-1サッカー選手権2022】

text by 編集部

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【写真:Getty Images】



20歳の藤田譲瑠チマ、日韓戦で2得点に絡み躍動

【日本 3-0 韓国 E-1サッカー選手権2022】

 EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会の最終戦が27日に行われ、サッカー日本代表は韓国代表を3-0で下し、4大会ぶりの優勝を果たした。



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 今大会2度目の先発出場となったMF藤田譲瑠チマは49分にMF相馬勇紀の先制点をアシストし、72分には3点目にも関与。2得点に絡む活躍で日本代表の優勝に大きく貢献した。

「自分自身初めてのA代表ということで、全てについてとにかくガムシャラに取り組もうという意気込みでこの遠征に入ってきたので、その通り、自分の目標にしていた目の前の試合で結果を残すことができたのかなと思います」

 そう語る藤田の活躍を後押ししたのは、横浜F・マリノスの選手たち。韓国代表戦ではボランチの相方にMF岩田智輝、トップ下にMF西村拓真、右サイドハーフにMF水沼宏太、右サイドバックにDF小池龍太、そして左センターバックにDF畠中槙之輔と、合計6人のマリノス所属選手が先発出場していた。

 先制点の場面では「マリノスの選手がすごく関わっていた印象」という藤田の言葉通り、Jリーグで普段から実践しているような崩しからゴールが生まれた。

「右で崩してから龍くん(小池)がボールを持って、智輝くん(岩田)が同じ(パスコースの)ラインに入ったことで、相手の守備の意識が散漫になったところで智輝くんが同じイメージでスルーをしてくれて、その後は自分がフリーになったので、一番いい選択ができたのかなと思います」

 ペナルティエリア右角でボールを持った藤田は、顔を上げてゴール前を確認し、ファーサイドにふわりとした軌道のクロスを送って相馬のヘディングシュートを演出した。今季のJ1第21節のセレッソ大阪戦で、後半アディショナルタイムに岩田がアシストしたレオ・セアラのゴールを彷彿とさせる一連の流れだった。

 72分の3点目の場面でもマリノスの選手が多く絡んでいた。藤田がペナルティエリア内の西村に縦パスを入れると、西村はボールが動く間に猛烈な勢いで飛び出してきた小池へワンタッチで浮き球のスルーパスを通す。

 そして、小池が体勢を崩しながらワンタッチで折り返し、最後は元マリノスのFW町野修斗が詰めてゴールネットを揺らした。

 縦パスで起点となった藤田は「右から崩して、マリノスでも同じようなタイミングで拓真くん(西村)が空いて、落ちてくるし、龍くんもそのタイミングでサイドに張っているというのはマリノスでも練習していた形」と3点目の流れを振り返る。

 そして「いつも通りやったら3点目もゴールに結びついたし、そういった(マリノスでやっている)形は海外相手でも通用するというのは自分たちの自信になったのかなと思います」と手応えも口にした。

 森保一監督は「マリノスはJリーグで首位を走ってるチームで、結果を出していて、いい選手がいっぱいいるチームから、代表として選手が選ばれるのはある意味自然なこと」と語っていた。一度に7人を招集し、韓国代表戦では6人を先発起用するなど、マリノス勢をユニットとしても有効に活用してE-1サッカー選手権を制した。

 藤田も今季からマリノスでプレーし、すでにチームに欠かせない選手となっている。今年6月にはU-21日本代表のキャプテンとしてAFC U-23アジアカップで3位入賞に貢献し、クラブでのパフォーマンスレベルも高まっていたところでA代表に初招集。E-1サッカー選手権優勝によって、より自信を深めているところだろう。

「特に後半は自分のところでテンポを出すプレーや、得点に結びつくようなパス、自分で持ち運んで、自分のボックス・トゥ・ボックス(の特徴)は出せた」と20歳のMFは語る。一方で現状を過信することなく「奪い切るところで奪い切れなかったり、攻撃では前に向けるときにバックパスしてしまったところ」を改善点として挙げ、さらなる成長を誓っていた。

 大一番で「いつも通り」を貫けるメンタルの強さや安定感にも特筆すべきものがある。日本サッカー界のトップレベルを経験した20歳がこれからどんな進化を遂げるか、より楽しみになる大会だった。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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