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Jリーグ 2年前

川崎フロンターレを2度撃破。湘南ベルマーレの勝利が「必然」だった理由。前回との共通点とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

湘南ベルマーレに「必然的に生まれるもの」



 今季の湘南は初勝利まで9試合を要し、開幕から13試合で1勝しかできなかった。しかし、そこから7試合で5勝を挙げて降格圏から脱している。4-0で勝利した川崎との前回対戦もその中に含まれる。

 山口監督は「関係性」という言葉を会見でよく使う。川崎との前回対戦ではウイングバックについて「後ろとの関係性の中で誰がどういう状況にあるかを理解しながら、状況を見ながら判断できるようになった」と評価していた。周囲との関係性の中で自分がとるべきポジションを理解しているからこそゴールが生まれるし、ピンチを防ぐことができる。「必然的に生まれるものもある」という言葉は「関係性」とリンクするものがある。

 この日の阿部のゴールについても「(杉岡)大暉が縦パスを入れ、山田(直輝)が受ける準備をした。つながりがあってのゴール。イージーではないと思うが、それまでの関係性の中で生まれたゴールはチームとして評価できる」と言う。

 なかなか勝てなかった開幕時から、湘南のサッカーは基本的に変わっていない。ピッチにおける「関係性」を磨き続けたことで、時間こそかかったが結果に表れてきた。ベースとなるスタイルが明確だからこそ、夏に加入した阿部もすぐにフィットしたのだろう。

 湘南にとってこの1勝は大きい。ただ、水曜には横浜F・マリノスとのゲームが控えている。5月の前回対戦では1-4で敗れているが、それは湘南が浮上のきっかけを掴む前の話だ。川崎戦のような戦いをできれば、前回対戦のような一方的な展開にはならないだろう。夏の終わりの神奈川ダービー第2戦が好ゲームになるのも必然だ。

(取材・文:加藤健一)

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