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Jリーグ 2年前

川崎フロンターレを2度撃破。湘南ベルマーレの勝利が「必然」だった理由。前回との共通点とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第28節、湘南ベルマーレ対川崎フロンターレが3日に行われ、2-1で湘南が勝利した。セットプレーから先制したのは川崎だったが、湘南は53分に追いつき、後半アディショナルタイムに劇的な逆転ゴールを決めた。これで今季の湘南は川崎から2勝をマーク。シーズンダブルは相性なのか運なのか、それとも日程によるものか。悔しさをにじませる川崎・鬼木達監督と、手ごたえを感じる湘南・山口智監督。湘南ベルマーレの勝利はある意味で必然性があったともいえる。(取材・文:加藤健一)


2度目もあった川崎フロンターレ撃破


【写真:Getty Images】

 川崎フロンターレは2017年からの5年間で4度、J1を制している。そして、今季を含めた6シーズンでリーグ戦2敗を喫したのは4チーム。セレッソ大阪が2018年と今季、浦和レッズが2018年に川崎から2勝を挙げた。そしてこの日、湘南ベルマーレが劇的な逆転勝利を収め、シーズンダブル(2勝)を達成した4チーム目となった。

 前回のようにはならないだろう。川崎フロンターレ視点で見ていた多くの人はそう予想したかもしれない。しかし、レモンガススタジアム平塚で行われたこの試合は、川崎が主導権を握り切れないまま時間が経過していく。セットプレーから先制に成功したが、PKを献上して53分に追いつかれた。試合終盤にはピンチが続き、90+3分には阿部浩之に痛すぎる恩返し弾を喰らっている。

 さかのぼることおよそ3か月、5月25日に両者は等々力陸上競技場で顔を合わせている。スコアレスで後半に入ったが、50分からの約12分で湘南が4点を奪い、0-4という衝撃的なスコアで川崎は敗れている。上位のセレッソならまだしも、残留を目指す湘南に喫した2敗は、3連覇を狙う上で誤算だったはずだ。

 当時、山根視来は「自分たち主導というよりリアクションになってしまった」と試合を振り返っている。消極的なプレーが目立った川崎に、湘南はなだれ込むようなプレスで襲い掛かった。実際に、町野修斗の3点目とタリクの4点目はカウンターから生まれている。

 しかし、川崎はそこから、登里享平やジェジエウの復帰を追い風に徐々に調子を上げていく。4連勝で暫定首位に躍り出たところで湘南とのリベンジマッチが開催されたが、またしても返り討ちにあってしまった。

 鬼木達監督は悔しさをにじませながらも言葉を振り絞る。

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