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黒歴史…ドイツワールドカップで起きた最悪の事件5選。危険なプレーの数々に世紀の大誤審も

シリーズ:ワールドカップで起きた最悪の事件5選 text by photo by Getty Images

イタリア代表対フランス代表

【写真:Getty Images】


開催日:2006年7月9日
試合結果:イタリア 1-1 フランス(6 PK 4)
得点者:マルコ・マテラッツィ(イタリア)、ジネディーヌ・ジダン(フランス)

 2006年のドイツワールドカップはジネディーヌ・ジダンの大会だった。大会終了後の現役引退を公言して臨み、決勝トーナメント1回戦では1ゴール1アシスト、準々決勝ブラジル戦ではティエリ・アンリのゴールをアシスト、準決勝ポルトガル戦では決勝点となるPKを決めるなど大車輪の活躍でチームをファイナルに導いた。

 ジダンの勢いはワールドカップの決勝であり、自身の引退試合でもあるイタリア戦でもとどまる所を知らず、7分に先制点となるPKを決めた。試合はファイナルらしく激戦となり、19分にマルコ・マテラッツィのゴールでイタリアが追いつき、90分で決着がつかないまま延長戦に突入した。そして延長後半となった110分にワールドカップ史に名を残す大事件が起こった。

 イタリアゴール前でのセットプレーが終わり、ジダンが自陣に引き上げていたところ、背後から声をかけられたマテラッツィに対して突如として“頭突き”を見舞ったのだ。主審がジダンにレッドカードを提示したことで彼の輝かしいフットボーラーとしてのキャリアは終わりを迎え、フランスもPK戦の末に敗れて2大会ぶりの優勝を逃した。

 後にジダンは愚行に出てしまった要因を「試合の日、私の母は体調が悪く、姉が付きっきりで看病していた。その姉をマテラッツィに侮辱された」と、フランス『レキップ』のインタビューで語っている。華麗なテクニックで世界中を魅了したジダンにとって、あまりに後味の悪い試合となってしまった。

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