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南野拓実にはどうしようもない。モナコは自滅でバラバラ。むしろチャンス?【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

敗戦の後にチャンス到来?


【写真:Getty Images】



 結局、モナコは69分にも追加点を許して0-4という大敗になってしまった。ただ、トラブゾンスポルに敗れてもグループステージ突破の可能性が絶たれたわけではない。2位トラブゾンスポルと3位モナコは勝ち点6で並んでおり、残り2試合で逆転できる可能性はまだ残されている。

 クレマン監督も「残り2試合で、運命はまだ我々の手の中にある。突破できるかは我々しだいだ」と語る通り、完敗で沈み込むのではなく、何とか立ち上がって勝利の流れを取り戻さなければならない。

 自滅から守備が崩壊し、3点ビハインドでチームもバラバラという状況では途中出場の南野にはどうしようもなかった。

 確かに終盤の85分にはジェルソン・マルティンスからの折り返しにペナルティエリア内で合わせたシュートを枠外に飛ばしてしまった。他にもラストパスの精度を欠いたり、シュートが味方に当たってしまったりと、ミスはあった。それでも彼1人の力で展開を一変させるのは困難で、この試合のパフォーマンスを盲目的に批判することはできない。

 むしろトラブゾンスポル戦の結果は、南野にとってのチャンスになるかもしれない。クレマン監督が完敗の影響を引きずらないようチームに変化をつけようとするなら、今回のトラブゾンスポル戦でベンチに座っていた選手たちに先発出場の機会を与えることも十分に考えられる。

 現地16日に行われるリーグ・アン第11節のクレルモン・フット戦で、南野は先発起用されるだろうか。現状はアピールの場が限られる状況だが、チームが敗戦から立ち直る原動力となることで実力を証明すれば、信頼を勝ち取れるはずだ。

 ワールドカップ開幕まで約1ヶ月。南野がサッカー日本代表の背番号10としてカタールの地で輝くためにも、小さなチャンスを大きな飛躍のきっかけにしたい。

(文:舩木渉)

【了】

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