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サッカー日本代表が描く「ずる賢いマネジメント」8年前の悪夢が今こそ活かされる【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka,Getty Images

8年前の悪夢が今こそ活かされる


【写真:田中伸弥】



 当時の日本代表はコートジボワールに敗れ、ギリシャに引き分けという大苦戦を強いられ、勝ち点1で3戦目を迎えた。この最終戦で大量得点を取って勝たないと次へは進めない。崖っぷちの状況で頭から前がかりでぶつかったのだ。

 その結果、前半早い段階でPKを献上してフアン・クアドラードに1点を奪われたものの、岡崎慎司が前半終了間際に一矢報いて、何とか1-1で折り返すに至った。

「前半はガンガン行って、割と戦えていたんですけど、明らかに後半落ちて、スペースがある中で得点を重ねられてしまった。あの時の経験を生かしたい。焦らず失点をしないことが重要だと思ってます」と吉田はハメス・ロドリゲスにいいようにやられた8年前の悪夢に思いを馳せつつ、あの時のコロンビア代表のような戦い方をイメージする。そうすれば、必ずコスタリカを息切れさせられるという確信を抱いているからだ。

 日本代表がそこまでの試合巧者になれるか否か。それはコスタリカ代表戦の非常に大きなポイントだ。チームマネジメントを一歩間違えれば、リスタートやカウンターに秀でる相手に失点を許し、ガッチリ守られてしまう。そういった最悪の展開だけは回避しなければならない。吉田や長友佑都が味わった苦い思いを生かすのは、まさに今なのだ。

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