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昔と異なるメッシの「偽9番」全盛期ではない35歳がアルゼンチン代表を輝かせる【カタールW杯】

シリーズ:分析コラム text by 西部謙司 photo by Getty Images

全盛期ではないメッシがアルゼンチン代表で果たす役割


 ポーランド代表のGKシュチェスニーの活躍に前半はゴールを割れなかったアルゼンチン代表だったが、46分にあっさり先制点をゲットする。右サイドでディ・マリアがキープし、右SBのモリーナがオーバーラップ、モリーナの低いクロスをマック・アリステルが合わせて逆サイドへ低いシュートを決めた。さほど強いシュートではなかったが、シュチェスニーの伸ばした手の先をぎりぎりで通過していてコースがよかった。

 ディ・マリアのタメからのオーバーラップは攻め手の1つで、サイドで裏をとったことでポーランドのDFが後退し、その手前へ速いクロスボールを入れてマクアリステルをフリーにしている。

 53分にはメッシが全盛期を思わせるラッシュからボックス内へ突入するが、シュートがほぼ空振りのミスキック。直後の裏抜けも2人のDFを振り切れず。

 35歳となり、さすがのメッシも全盛期のパワーとスピードはない。一方で、右のハーフスペースから逆へ展開するパスや狭いスペースでの技巧は健在。得点を分散させる「偽9番」の役割は果たせているので、あとはチームメートしだいだ。

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