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サッカー日本代表は本当に強くなったか? W杯最大のサプライズを実現、選手たちの「日常」が鍵に

text by 編集部 photo by Getty Images

サッカー日本代表は本当に強くなったのか?




 日本代表選手たちの「日常」のレベルは4年前のロシアワールドカップ当時から比べて確実に上がっている。当時は23人の本大会出場メンバーのうち15人だった海外組は、4年経った今大会は26人中19人に増えた。欧州1部リーグでのプレー経験を持つGK権田修一、DF長友佑都、DF酒井宏樹も含めれば海外経験者は22人にのぼる。

 イングランド・プレミアリーグやブンデスリーガ、ラ・リーガで活躍する日本代表選手たちは、ドイツ代表やスペイン代表のスターたちと日常的に対戦している。ないしはチームメイトに欧米列強の代表選手がいる環境だ。

 そうなればドイツ代表にもスペイン代表にも畏れを抱くことはない。むしろ自信を持って対峙できていたはずだ。欧州5大リーグに近いレベルのクラブ、あるいは欧州カップ戦に出場するクラブに所属している日本代表選手にも同じことが言えるだろう。

 ドイツ代表戦を前にした「ドイツ代表にはバイエルン・ミュンヘンほどクオリティはないし、バイエルンと今のドイツ代表なら間違いなくバイエルンの方が強い」というMF鎌田大地の発言にも説得力がある。

 かつては11人が一致団結して11人分以上の組織力を発揮することで、強豪国に対抗しようとしていた。だが、今の日本代表は1対1でワールドクラスの選手たちと互角以上に渡り合え、組織としてまとまればドイツ代表やスペイン代表を上回るパワーを発揮することができるようになってきている。

 当然ながら10回戦って10回、スペイン代表に勝てるわけではない。それでも若い頃から欧州でプレーし、世界基準を知る選手たちが増えたことで、日本代表に求められるプレーの基準も上がった。彼らは所属クラブでの「日常」を日本代表にも持ち込み、それをチーム力に還元している。

 森保一監督はグループステージ突破を決めた翌日の囲み取材の中で「こういうのはメディアの皆さんからたくさん発信して欲しい」と述べ、日本代表選手たちの「個」の成長が「組織」としての進歩にどのようにつながっているのかを説いた。

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