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田中碧が分析するクロアチア代表。サッカー日本代表は最強MF陣をどう封じるか【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

「今までやってきた結果はひとまず置いといて…」


【写真:Getty Images】



 最初は初出場した98年フランス大会。日本代表がチャンスを作る場面もあったが、やはり勝敗の分かれ目になったのは、小さなミス。そこからダヴォール・シュケルの決勝点につながってしまった。一瞬の隙を見逃さずに決めきる点取り屋がいるという意味ではアンドレイ・クラマリッチを擁する今回も同じだ。

 2006年ドイツ大会の時はスコアレスドローだったが、日本は宮本恒靖が献上したPKを川口能活が阻止。逆に柳沢敦がこれ以上ない決定機を逃し、勝利をつかみ切れなかった。

 このように、クロアチア代表との勝負の明暗を分けるのはいつも細部。そこにどれだけこだわれるかで、日本代表のベスト8入りの行方が決まると言っていい。

 スペイン代表戦で三笘薫がゴールライン上にコンマ数ミリ残っていたボールを折り返してくれて決勝点を奪った田中碧には「細部にこだわることの重要性」が誰よりもよく分かっているはず。その経験を今回のゲームにも生かしてほしい。

「僕らはやれるんじゃないかというふうに思う。あとはそれを現実にするかどうかだけ。今までやってきた結果はひとまず置いといて、自分たちを信じてやれればいいのかなと思います」

 その言葉通り、日本サッカー界が過去3度跳ね返された8強の壁をこじ開けるためには、しっかりと中盤を制するしかない。ここまでドイツ代表・スぺイン代表に勝利した成功体験を糧に、クロアチア代表との駆け引きに挑めば、今の彼らならやれないことはない。

 自身を「持ってる男」と言う田中碧ならば大仕事をやってのけるはず。ゴールという結果も含め、日本代表に大いなるダイナミズムをもたらしてほしい。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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