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Jリーグ 1年前

苦悩と栄光は紙一重。日本の「ガラスの天才」10人。怪我に泣いた最高級の才能たち

シリーズ:ガラスの天才5人 text by 編集部 photo by Getty Images

FW:小倉隆史

【写真:Getty Images】


生年月日:1973年7月6日
日本代表:5試合1得点0アシスト

 度重なる怪我に泣かされる天才もいるが、一度の大怪我が致命傷となりキャリアが暗転してしまう天才もいる。元日本代表FW小倉隆史は後者だと言えるだろう。1992年に名古屋グランパスに加入し、その翌年にはオランダのエクセルシオールへと渡って得点王争いに加わるほど大活躍。1994年には当時20歳で日本代表デビューも飾るなど、誰もが小倉の未来は明るいと信じて疑わなかった。しかし、1996年に悲劇が起きてしまった。

 U-23日本代表の一員としてアトランタ五輪・最終予選に向けたマレーシアでの合宿に参加していた小倉は、ジャンプして着地した際、右足後十字靭帯断裂という選手生命が脅かされるほどの重傷を負ってしまった。その後、日本での手術が失敗に終わり、オランダに渡って再手術を行うなど長期離脱を強いられ、アトランタ五輪出場はならず、1997年シーズンの全試合を欠場することになった。

 複数回にわたる手術の末、1998年に実戦復帰を果たした小倉だったが、やはり何度もメスが入った膝が万全な状態に戻ることはなく、その後はかつてのような輝きを取り戻すことができなかった。そして2006年、わずか32歳という若さで現役引退を決断。あの大怪我さえなければ…と思った日本のサッカーファンは、決して少なくなかったはずだ。

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