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日本代表 1年前

「もう負けられない」シュミット・ダニエルの静かなる闘志。サッカー日本代表で感じる「自分にはないところ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

W杯出場なし「悔しかった。出ないと意味がないと感じた」


「(チームに)何か大きな影響を与えることは自分にはできないと思っていたんで、練習で全力を出し切ること、毎日成長することを意識して取り組んでいました。『この期間を有効に使えればいい』と思ったし、その中でいつかチャンスがくるかもしれない。そう考えて準備もしていました。そういった姿勢が誰かの刺激になることもあるかなと。

 でも最後まで出番はなかった。W杯に行ったことは誇りに思うし、嬉しいし、『よくやったな』という気持ちはありましたけど、やっぱり悔しかった。やっぱり試合に出たい、出ないと意味がないと感じた。これで次の2026年北中米W杯に選ばれなかったら、カタールに行けた意味もない。とにかく成長して3年半後の大舞台に立ちたいと強く思います」

 日頃から穏やかなシュミットは今、目の色を変えてギラギラした感情を前面に押し出しているのだ。

 そのためにもプレーの精度を引き上げることは必須。彼は以前からシュートストップが課題と言われているが、そこに対する取り組みにはより注力していく構えだ。

「ずっと前から言っていますけど、シュートストップはまず改善しないといけない部分ですね。加えて言うと、DF陣との連係強化。代表でやる時とクラブでやる時はまた1つ、感覚が違いますけど、そこは1つ修正できる部分かなと。そう考えて意識的にアクションを起こしています」

 筆者が現地取材したウェステルロー戦でも、最終ラインの背後に出たボールを処理しようとして敵に先に触られ、危うく失点につながりそうになった場面があったが、そういう小さな判断ミスを極力減らし、リスクを最小限にとどめていくことが肝要だ。

 本人も自戒を込めてこう語っている。

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