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日本代表 1年前

「もう負けられない」シュミット・ダニエルの静かなる闘志。サッカー日本代表で感じる「自分にはないところ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

「チャンスに今、一番近いのは自分と…」


 神妙な面持ちでこう話すシュミットは欧州でプレーできているというアドバンテージを生かさなければいけない。目下、欧州リーグで試合に出ている日本人選手は彼と中村航輔の2人だけ。2019年夏から4シーズン目を戦うシュミットの経験値は非常に貴重である。

 とはいえ、そろそろ次のステップに進んでいい頃。彼がかつてリールからスタンダール・リエージュに引き抜かれ、UEFAヨーロッパリーグ(EL)に参戦した川島のように、より高いレベルを経験できるようになれば、自身にとってももちろんプラスだし、日本サッカー界にも還元できることは多くなる。本人もその領域を貪欲に追い求める覚悟だ。

「自分が日本人GKをリードしていくという自覚は全くないです(笑)。僕はずっとチャレンジャーだし、そういう立ち位置だと思うので。でも自分が日本サッカー界のために何か1つできることがあると言えば、CL(UEFAチャンピオンズリーグ)やELとか欧州の舞台でプレーすることでしょうね。

『彼が行けるなら、俺もいける』と思われるようになるチャンスに今、一番近いのは自分と航輔。Jリーグからダイレクトにそういうクラブへ行くのは本当に難しいので、まずは自分が飛躍のきっかけをつかめるようにしたいです」

 ここからのリーグ終盤に一気に巻き返しを図り、シントトロイデンのPO進出の原動力になれれば、今年の夏には何かポジティブな出来事が起きるかもしれない。そんな希望を持ちつつ、シュミットには進化を続けてほしいものである。

(取材・文:元川悦子【ベルギー】)

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【了】

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