フットボール批評オンライン

「以前はエラーが15~20回あった」サッカー日本代表は何が良くなったのか? スペイン人指導者が見た改善と成長

シリーズ:フットボール批評オンライン text by 川原宏樹 photo by Getty Images

“自信”はどこから生まれたのか?

ドイツ代表戦でプレーしたサッカー日本代表MF遠藤航
【写真:Getty Images】



 果たして、その自信はどのように生まれたのだろうか。ワールドカップでドイツやスペインを相手に守り切れたという大舞台での成功体験による影響も大きい。アレックスはそういった試合も含めたチームとしての積み重ねによって得られたことと分析している。

「今から考えると信じられないことですが、カタール大会のアジア最終予選はオマーンに敗れて始まりました。そして、第3節のサウジアラビア戦でも0-1で敗戦し、森保監督の解任が騒がれるようになりました。そのような危機的な状況からワールドカップの出場権を勝ち取り、本大会ではドイツやスペインを破る経験を得られました」

「当初から出ている選手もいれば、メンバーから外れた選手もいますが、そうやって勝ち取って得られた経験を積み重ねてきたこと、またそれを新たな選手に伝えられていて、それが伝わっているという感覚があるのでしょう。そういったことの積み重ねによってグループとしても強固となって、チームを成長させているように見えます」

 グループとしての成長に加えて選手個々も成長していて、個人としての自信も加味されたのが今の日本代表を形成しているという。

「多くの選手が質の高いヨーロッパの環境でプレーしています。そこで日々レベルアップしていると同時に、そこで得られた経験から“どのような相手であろうと戦える”という自信を得られています。このような個人として経験値と先述のチームとしての経験値がポジティブに働いているのが、現状の日本代表だと思います」

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