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サッカー日本代表、トップ下は久保建英で決まり? 鎌田大地と南野拓実にはない大きな武器とは?

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

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【写真:田中伸弥】



久保建英がトップ下争いで一歩リード?

 サッカー日本代表は17日、キリンチャレンジカップ2023でチュニジア代表と対戦。古橋亨梧と伊東純也のゴールで2-0の完勝を収め、怒涛の6連勝を飾った。この試合では、レアル・ソシエダ所属の久保建英が先発出場を果たし、2ゴールに絡むなど勝利の立役者となっている。



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 伊東が13日のカナダ代表戦でフル出場を果たしていたこともあり、久保はチュニジア代表戦で右サイド起用になるかと思われたが、ポジションは4-2-3-1のトップ下だった。立ち上がりから粘り強い守備を見せてきたアフリカの曲者を前に、どれだけ攻撃を活性化できるかが大きな注目ポイントになった。

 その久保は、期待に応えるかのように躍動した。随所でテクニックの高さを見せつけ、ゴール前ではチュニジア代表のDF陣を困惑させるようなアイデアを発揮。強靭なフィジカルを誇る相手に簡単に潰されることなく、攻撃のクオリティーをグッと高めていた。

 そして自らのゴールこそなかったものの、2ゴールに絡んだ。とくに2点目が生まれた69分のプレーは見事の一言。左サイドで浅野拓磨のヒールパスを受けた久保は緩急を巧みに使ってDFを剥がし、マイナス方向へのグラウンダークロスで伊東のゴールをお膳立てしたのだ。

「あれは僕の特徴だと思っています」と試合後に振り返った通り、まさにこのアシストのシーンは久保の良さがはっきりと表れていた。相手の出方を見極めながら繊細なタッチを駆使して突破していく姿は、右サイドを主戦場とするソシエダでも幾度となく見られている。

 トップ下でありながら、展開によっては左右両サイドに流れ、単独で仕掛けて違いを生む。これはトップ下のライバルである鎌田大地や南野拓実にはない武器と言っていい。しっかりとした守備を披露してきたチュニジア代表を前に、日本代表が単発的な攻撃に終わらなかったのは、久保のそうした流動性があったことが一因と言っても過言ではないだろう。

 実際、チュニジア代表は伊東&旗手怜央と久保のポジション入れ替えに困惑していた様子だった。前半には、久保が右サイドに開き、伊東が裏への抜け出しを見せたことでハーフスペースに空間ができ、そこを古橋が突こうとしたシーンがあった。ここからチャンスは生まれなかったものの、後ろに人数をかけていたチュニジア代表DF陣に一瞬の隙ができた場面だったことは間違いない。

「今日のプレーだったらトップ下の方がいいと思います。僕がトップ下にいて、右に伊東選手がいる方が相手からしたら脅威なのかなと。右で勝負したい気持ちもありますけど、現状はもったいないかなと思います」

 久保自身もトップ下起用と伊東との連係には手応えを得た様子だ。また、「僕もウィングでプレーしているので、だいたい伊東選手がどうこうしたいというのはわかる。扱いやすいというか、僕からしたらわかりやすい特徴を持った選手なので、一緒にプレーするのは簡単ですよね」と頼もしいコメント。伊東に限らず、左WGの1番手である三笘薫も大きな特徴を持った選手なので、この言葉を見る限り、彼との連係も問題なくスムーズにできそうだ。

 もちろん、まだチュニジア代表戦を終えたばかりであり、鎌田や南野にもそれぞれ良さがあるが、現状2列目は左から三笘、久保、伊東の並びが相手にとって大きな脅威と言えそうだ。

(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
 
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【了】

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