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3バックで変わった三笘薫の役割。左WBでよりドリブルが活きる理由とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

三笘薫の役割の変化


 基本フォーメーションを[3-4-2-1]に変更したことで、三笘は左WBのポジションで起用された。

 これまでの[4-2-3-1]のシステムでは自らの後方に左SBの選手がいたが、それがなくなったことで初期配置はいつもより低い位置となっていた。一方、相手のコートに押し込んだ際にはこれまで通り高いポジションを取れており、低い位置でのビルドアップの関わり方が最大の変化だったと言えるだろう。

 高い位置でボールを受けた際に三笘はドリブルでの打開力を求められていた。しかし、この試合ではWBとなったことで、自らよりも前方にポジションを取る選手、もしくは自らを追い抜く選手が多く、彼らを活かすために「パス」で違いを作るプレーが多く見られた。

 22分には左サイドのタッチラインで3人の相手選手の視線を集めると、ボランチの位置から三笘の前方にあるスペースに抜け出したマフムド・ダフードにスルーパスを供給。51分にも同じようにスペースに抜け出したダフードにパスを出しており、これまでの試合と比較をすると周りを使う意識がかなり高いように見えた。

 かといって自ら仕掛けるプレーがなくなったわけではない。むしろパスの割合が増えたことで、ドリブルがより活きていた。

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