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3バックで変わった三笘薫の役割。左WBでよりドリブルが活きる理由とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

三笘薫の真骨頂が発揮された理由



 この試合で一番の見せ所となったのが13分のシーンだ。

 エヴァン・ファーガソンの落しを受けた三笘は相手の右SBティモシー・カスターニュとマッチアップ。一度縦にドリブルで大きく仕掛けてから止まり、顔を上げてパスを出せる形をとったことで、相手DFは内側への選択肢を消そうと身体の重心を左にずらした。

 それを見るや三笘は完全に逆を突いて、再び縦へと突破。最後の深い切り返しも合わせてカスターニュを見事に翻弄してチャンスを作った。

 相手の逆を突くドリブル突破は、これまでの三笘にも見られた得意のプレーだが、先述した味方を活かすプレーを見せておくことで、よりこの形が活きていた。

 左WBでの起用は初期配置が低くなったことで、CBのルイス・ダンクから三笘への裏に出るフィードは減りそうだが、それを差し置いてもこのシステムの方が最終的に三笘の武器が発揮しやすいように感じられた。

 ペルビス・エストゥピニャンやタリク・ランプティ、ソリー・マーチらがSBでプレーできる選手が離脱している期間のみのシステムになるかもしれないが、この形がハマればそのまま3バックで続けるかもしれない。次節以降のデ・ゼルビ監督の立ち振る舞いにも注目だ。

【了】

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