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ジョーカー三笘薫はなぜ機能しない? ブライトンが最下位に勝てなかった理由【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

最下位に勝てなかった最大の要因



 それでも試合は“ある出来事”が起こるまで完全にブライトンペースだった。

 1-0で迎えた69分に、マフムド・ダフードがベン・オズボーンの足首を踏んづけてしまい、一発退場となったことが試合の流れを変えてしまった。

 怪我でメンバー外となった主将のダンクを筆頭に経験豊富なミルナーやララーナもピッチにいなかったこの状況で、リーダーシップを発揮できるブライトンの選手はピッチ上に存在しなかった。

 69分の退場劇で完全に気持ちが切れてしまったホームチームは、残りの21分+アディショナルタイムの大半の時間でシェフィールド・ユナイテッドにボールを保持され、試合終了のホイッスルが鳴るまで1本もシュートを放つことができなかった。

 1人少なくなってから守備に走らされ続けたブライトンは攻守に足が止まる場面が散見され、74分の失点シーンの場面では三笘の対応が1、2歩遅れた隙を突かれてオウンゴールを献上してしまった。

 この場面だけ見ると、失点の責任は日本代表FWにあるが、ブライトンは開幕11試合で無失点に抑えた試合が一つもなく、勝てなかった要因はこの失点よりも、自分たちが主導権を握っていた時間帯に追加点を奪えなかったことの方が割合としては大きい。

 現在8人の負傷者がいるブライトンが再び上昇気流に乗るためには怪我人の復帰が欠かせない。今週、来週のインターナショナルマッチウィークに何選手かが復帰できる予定だ。

 ここで主力が帰ってくればチームとしては大きなプラスに働くが、仮に復帰できないとなると年明けまでの超過密日程でさらに順位を落としてしまうかもしれない。ブライトンが正念場を迎えている。

(文:安洋一郎)

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