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躍進の理由は? アストン・ヴィラを蘇らせたエメリ監督の手腕。壮大なプロジェクトとアーセナルとは正反対の環境【コラム】

シリーズ:編集部フォーカス text by 安洋一郎 photo by Getty Images

食い違う現場とフロントの意見


【写真:Getty Images】



 その代表例が2年目となる19年夏に当時のクラブレコードで獲得したニコラ・ペペだろう。

 エメリは解任後に受けたインタビューで「私はリーグを知っていて適応に時間がかからない選手を望んでいた。ザハは一人で試合を決めることができる選手だ。でもクラブは将来を見据えてペペの獲得を決めた」と明かしている。

 エメリはアーセナルのフロントに「今、試合に勝利するためにはザハが必要だ」と訴えたが、この移籍は実現しなかった。

 実際に彼が指揮を執った18年夏から19年11月までの期間を振り返ると、獲得した選手は10代や20代前半の若手(ガブリエウ・マルティネッリ、ウィリアム・サリバ、マテオ・ゲンドィージら)、もしくは30代のベテラン(ソクラティス、ダビド・ルイス、ステファン・リヒトシュタイナーら)が大半で、現アーセナル指揮官ミケル・アルテタと比較をすると、明らかにサポートが不足している。

 現在、指揮を執るアストン・ヴィラでは、これと正反対の環境に置かれている。

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