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日本代表 5か月前

ゴールを量産する中村敬斗の「もしかしたら」思考。サッカー日本代表5戦5発、三笘薫とは異なる「自分のいいところ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

本領を発揮する「点の取れる左サイド」


「1点入れば崩れるから早めに取れたらいいよねと律君と話しました。入る時は、とりあえずフランスでやっていることを出せばいいと。フランスの方が今日の相手より強度が高いと分かっていたので、その感覚でやればいいかなと思っていました」

 10月のカナダ代表戦で左足首を痛めて以来の復帰戦。ケガを乗り越えた彼はトップ下に入った堂安、右の伊東らの動きを見ながらゴールを念頭に置いてプレーした。

 迎えた51分、日本代表は待望の先制点を奪う。堂安が右の大外に展開。伊東純也に落としたところで、田中碧がペナルティーエリアに侵入。ラストパスを受けて右足を一閃。喉から手が出るほどほしかった1点を挙げたのである。

 この瞬間、中村敬斗はファーの位置でフリーになっており、GKが弾いた場合はこぼれ球を詰められる状況になっていた。この嗅覚が彼の最大の持ち味。それを登場から間もない時間帯から感じさせていたのだ。

「点の取れる左サイド」はここから本領を発揮していく。53分には右の毎熊晟矢からのクロスに詰めてシュートを打ちに行き、61分にも同じような形から右足を合わせる。これは惜しくも右ポストを直撃したが、いつ点を取ってもおかしくないという雰囲気を漂わせた。

 そして待望の瞬間が72に訪れる。中村敬とは左サイドで佐野とパス交換。佐野がエリア内左の深いところに侵入して折り返す、伊東純也と交代していた南野拓実が左足でシュート。これをGKが弾いてこぼれたところに背番号13が詰め、試合の行方を決定づける2点目を叩き出すことに成功した。

 これで日本代表では5戦5発。本人は満面の笑みを見せながらゴールを次のように振り返っている。

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