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日本代表 4か月前

「納得いっていない」板倉滉に託されたミッションとサッカー日本代表が抱える問題【アジアカップ2023現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

インドネシア代表戦はここまでの2戦と全く違ったものになる



 2019年1月にフローニンゲンへ赴いてから、シャルケ、ボルシアMGと渡り歩き、5年以上を欧州で過ごしている板倉。日本代表でも2019年コパ・アメリカからキャリアをスタートさせ、FIFAワールドカップカタール2022最終予選や本大会を経験。誰もが認める日本の守備陣の大黒柱と位置づけられている。

 そんな百戦錬磨の男にとっても、アジアカップ自体は初めて。特に中東での大会ということで、中東勢にとっては事実上のホーム状態。インドネシア代表にしても労働者や移民が多く、大勢のサポーターが詰めかけるだろう。そんな彼らが「日本から金星を挙げてやるんだ」と凄まじい勢いで挑んでくるのだから、一筋縄ではいかないのも当然だ。

 現実の厳しさを再認識したうえで、迎えるインドネシア代表戦はこれまでとは全く違ったものになるはず。インドネシア代表も5-4-1の守備重視のスタイルを採ってくるチームだが、最前線には185センチの長身FWラファエル・ストライクがいて、ヘディングは警戒しなければならない。両サイドもスピードには長けていて、カウンターも鋭い。イラク代表も一瞬の隙を突かれて左サイドの突破を許し、右から突っ込んできたマルセリーノ・フェルディナンに1点を奪われた。そこは要注意ポイントと言っていい。

 加えて言うと、敵将のシン・テヨン監督は日本代表に激しいライバル意識を燃やしている。あらゆる手段を使って勝ち点3を狙ってくるだろう。イラク代表がロングボール作戦で成功したのを参考に、ストライクや長身ボランチコンビに競り合いを仕掛けさせ、優位な状況に持ち込んでくることも考えられる。そういった想定を踏まえ、板倉には冨安と協力しながら綻びを作らないような対応が強く求められるのだ。

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