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サッカー日本代表は「SBの優先順位があやふや…」スペイン人指導者が苦戦するサイドバックに提言【アジアカップ2023】

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by AFC

サイドバックの優先順位「スペースを消す役割を担う」



 グループステージにおける戦いでディフェンスラインの脆弱性を見せた日本代表だが、アレックスはそのひとつとしてロングボールへの弱さを露呈したことを挙げた。ノックアウトステージでの戦いでも、同様にディフェンスラインの裏へロングボールを蹴り込んでくるチームとの対戦が予想される。そういったロングボールの対応に関してもサイドバックのポジショニングが重要になると説く。

「相手FWに向けて蹴り込まれたロングボールに対しては、基本的にセンターバックが競りにいくことになります。そのとき必然的に競りにいったセンターバックの選手が前へ出て、整ったディフェンスラインを壊すことになるわけです。そこでできてしまうスペースを消す役割を担うのがサイドバックになります。ロングボールが放り込まれたとき、サイドバックは内側へ絞ったポジショニングで最も危険になり得るスペースのカバーリングを行わなければなりません」

 続けて、守備時の優先順位について説明したアレックスは、「その整理が必要」と修正点を挙げた。

「菅原由勢が出場していた試合では板倉滉との間のスペースを狙われていました。菅原は外側に位置する相手に引っ張れすぎて、内側のスペースを消すポジショニングができていませんでした。そこをうまく相手に突かれるシーンは何度もありましたよね。失点につながる危険性から考えると、外側よりも中央のほうが高くなります」

「それを踏まえると、必然的に守るべき位置、消さなければならないスペースの優先順位が決まってきます。その優先順位があやふやに感じられるところがあったので、チームとしてその優先順位を整理することが大切になるでしょう」

 攻守両面でサイドバックのポジショニングを修正する必要があると見解を語ったアレックスは、それ以前にやるべきことがあると強調する。

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