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高校サッカー 3か月前

近江高校の躍進を支えた「7つの班」。高校サッカー選手権準優勝「こんなに細かく仕事があるのか…」部員も驚くその内容とは

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「全員が寝不足…」妥協を許さぬ分析へのこだわり


「分析班のなかで映像を切り取って、さまざまなミーティングをしていますけど、映像素材に関しては事前に僕が一度見るようにしています。どのような観点からこれを取り上げるのか、といった感じで僕が問いかけるケースもあるので、分析班としても映像を適当に切り取ることはできない。もちろん僕たちも映像を含めた情報を持ち合わせているので、これでディスカッションが本当に白熱するのかとか、これを訴えるのならば何分から何分までの映像の方がいいんじゃないかとアドバイスするケースもあります」

 スタッフ陣も独自の情報を持つための作業で言えば、昨年大晦日の初戦から5試合目の決勝まで、すべて中1日で次の試合に臨んだ全国高校サッカー選手権期間中は「全員が寝不足になりました」と苦笑する。

「試合を終えた日の夜から、もう始まっていましたね。そうしないと、翌日午後のミーティングに間に合わない。朝の5時くらいまで分析して、ちょっとだけ寝て朝食を一緒に食べて、そこからまた分析して、練習へ行く道中でもずっとやっていました。ミーティングで彼らに見せた映像をもとに、もう一度おさらいをするので試合前日もなかなか睡眠時間を取れない。試合前の方が覚悟を決めて、あとはシミュレーションをしながら微調整を施すだけになるので、逆にリラックスしていたくらいです」

 単なる部活動だけで終わらない近江での3年間を、入学とともに分析班に所属し、2年生では分析班のリーダーを務めた副キャプテンのDF西村想大はこう振り返る。

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