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日本代表 2か月前

「それが生命線」サッカー日本代表はアジア杯の反省を生かせるか。守田英正ら中盤に求められるプレーとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「以前より詰められたかなと」



 そこで重要になってくるのが、中盤のバランス。アジアカップで敗退した際、守田英正(スポルティングCP)が「もういろいろ考えすぎて頭がパンクというか、もっと『外からこうした方がいい』とか、『チームとしてこういうこと徹底しよう』とか指示や決まりごとがほしかった」と注文を付け、物議を醸すことになったが、どこまで細かいすり合わせができているのか。そこは今後のチームの動向を左右するポイントと言っていい。

「守備のところの確認はミーティングで映像を使ってやりました。分かっていたことではありますけど、新しい選手もいますし、佑都(長友=FC東京)君も帰ってきたりしたので、歪みがないように話はしました。

 より細かくなった? そうですね。可変だったり、相手が自分たちより多くビルドアップしてきた時の守備の配置、誰がズレるといったところは以前より詰められたかなと。いきなり0が1、1が2になったりはしないですけど、最適解を探っていく段階。今はよくするために動いている段階だと思います」

 守田は北朝鮮戦前日練習後に少しスッキリした表情でこう語っていたが、アジアカップ時のモヤモヤや迷いはある程度は解消できた様子。ボランチの相棒になると見られる遠藤航(リバプール)も「彼のアジアカップ後の発言には彼なりの意図があるとは思いますけど、自分たちはいつもディスカッションはしている。僕からしたら『いつも通りの守田』って感じなんで、特に問題ないです」とそこまで深刻には捉えていなかった。短い準備期間ではあったが、2人の中で意思疎通はきちんと図られたと見ていいだろう。

 こうした中、改めて彼らに求められるのは、相手が蹴り込んできた時の確実な対応だ。アジアカップではロングボールを入れられた際、横並びになっていた遠藤と守田が後ろに下がりすぎてしまい、彼らの前のスペースが空き、そこでセカンドボールを拾われ、攻め込まれるという形になることが多かった。イラク戦ではその課題からダイレクトに失点につながり、選手間で話し合って修正したはずだったものの、またしてもイランに弱点を突かれる格好になった。その結果、日本は8強で敗れ去ったのである。

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