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日本代表 2か月前

「Jリーグとは違う」サッカーU-23日本代表が肌で感じた実力差。隠しきれなかった戸惑い…。五輪不参加の危機に【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

隠しきれなかった戸惑い「ミスしてはいけないミス」



「相手は純粋に走るスピードが速いし、Jリーグとは違ったスピード感でやられたっていうのは、本当に悔しさしかない」。相手は一瞬の隙を突く老獪さも併せ持っている。大岩監督も「前半は特に戸惑った選手が何人かいたし、圧力に対して少し消極的になった部分があった」と厳しい評価を下していた。

 1−1で折り返した後半。日本は山田と植中を下げ、エースFW細谷真大と染野唯月を投入。攻撃の迫力を加えようと試みたが、逆に53分に相手エース・ママドゥ・サンギャレに豪快なミドルシュートを打たれ、これをGK野澤がこぼし、最終的にママドゥ・トゥンカラに詰められ、2点目を献上。逆転を許してしまった。

「GKとしてミスしてはいけないミスが多く続いていた。代表戦では決してやってはいけなかった」とA代表の一員としてAFCアジアカップカタール2023に参戦した守護神は反省しきり。今季の野澤はFC東京では控えに甘んじており、試合勘の不足が出たのかもしれない。鈴木彩艶を最終予選に招集できないことが確実となっている今、A代表経験のある野澤には安定感のあるプレーが求められるところ。今回のミスを糧にしなればいけないだろう。

 リードしたU-23マリ代表はここからペースダウンすると思われたが、試合終了間際の時間帯にダメ押し点をもぎ取ってきた。左サイドのスローインから途中出場のブライマ・ディアラが爆発的なスピードで突破。折り返したところで合わせたのがブバカル・トラオレだった。

 この時間帯、ピッチに立っていた佐藤恵允も「やっぱり90分戦っても落ちない運動量とキレとかはすごいと思います。そこは本当にアフリカっぽい」と苦笑していたが、最後の最後までU-23日本代表は相手とのフィジカルの差の埋められないまま、1−3で苦杯を喫したのである。

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