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日本代表 2か月前

「Jリーグとは違う」サッカーU-23日本代表が肌で感じた実力差。隠しきれなかった戸惑い…。五輪不参加の危機に【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

紛れもない事実「逃げていたら絶対にダメ」「個人だけでなくて組織として…」



 やはり実力差は大きかったが、山本理仁、藤田譲瑠チマや佐藤といった欧州組は日頃から大柄で屈強な選手たちと戦っている分、対応に慣れていたのは事実。そこは国内組の面々との違いだった。

「僕のいるドイツにはアフリカ系の血を持ったドイツ人選手も沢山いますし、自分にとっては身近でしたけど、やっぱり日本でやっている人は初めての経験だったと思います。ボールを奪えたと思っても、後ろから足が伸びて、相手ボールになるようなシーンがかなり見受けられた。彼らはロストしたと思っても諦めないし、そこが推進力につながっている。バネもすごい。そういう相手との試合を経験できたのが大きかったと思います」

 佐藤も語るように、U-23マリ代表を相手に感じた1つ1つを最終予選に生かさなければ本当に意味がない。

「こういう身体能力の高い相手から逃げていたら絶対にダメ。本当に細かいところを突き詰めてないと、3点目みたいな失点をしてしまう。そこは全員で共有しないと。個人だけでなくて、組織としてしっかりチャレンジ&カバーをしないといけないと思います。距離感が遠かったらこぼれ球も全部拾われてしまいますし、そこを改善するだけで守れるところは絶対にある。コミュニケーションをとってやっていく必要があると思います」

 DFリーダーの西尾も強調するように、大岩ジャパンの成否はわずかな時間でいかにして強固な組織を構築できるかにかかっているのだ。

 山本と藤田も最終予選参加は五分五分だと言われるが、だからこそ、彼ら欧州組が持っている経験値を国内組に還元し、球際の部分で勝つところから始めないと、U-23マリ代表のみならず、アジアのライバルに飲み込まれてしまいかねない。彼らにはこれまで以上の厳しさを持って、細部を徹底していくことを強く求めたい。

 3月の残された活動は25日U-23ウクライナ代表戦までの3日間しかないが、限られた時間を有効活用し、ベストを尽くすしか、五輪切符をつかむ術はない。西尾が語った通り、逃げずにぶつかっていくことが肝要だ。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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