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セリエA 2週間前

チアゴ・モッタだけじゃない。ボローニャ大躍進を支える1人の“老人”。ミラクルを起こし続ける男は何者なのか【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

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ボローニャの躍進が止まらない。今季セリエAの32試合を終えた時点で勝ち点59を積み重ね、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の4位につけている。もちろん、指揮官チアゴ・モッタの手腕が評価されているところだが、その影でクラブの躍進に大きく貢献している人物がいる。果たしてその男とは。(文:佐藤徳和)


ボローニャが今季セリエAで旋風を巻き起こす

ボローニャ
【写真:Getty Images】

 セリエAにおける今季の最大のサプライズは、ボローニャの躍進をおいてほかにはないだろう。32試合を終えて、勝ち点59。現在位置するUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の4位の順位をシーズン開幕前に予想した人などいただろうか。

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 一気に飛躍する兆しはあった。昨季は、11/12シーズン以来の最高位9位で1年を終えた。謙虚な目標であれば、残留争いに巻き込まれることなくシーズンを終えること。野心的な目標であれば、欧州カップ戦出場権獲得といったところだろうか。しかし、そのカップ戦も、カンファレンスリーグ(UCL)でも、UEFAヨーロッパリーグ(EL)でもなければ、欧州最高峰を争うCL出場権争いを繰り広げているのだから、驚きしかない。

 クラブと同名の本拠地があるボローニャは、西欧諸国で最古の大学を擁し、イタリア国内だけでなく、ヨーロッパ全体をみても、生活水準が高い地域の一つである。ボローニャは実はこれまでに7つのスクデットを獲得しているが、最後に優勝したのは、63/64シーズンと半世紀以上もさかのぼらなければならない。ちなみに、この年まで30年に渡りクラブの会長を務め、4度のスクデット獲得を含む絶頂期を築いたのが、レナト・ダッラーラ。クラブへの貢献が賛えられ、スタジアムの名前に冠されている。

 この最後のスクデット以降は、安定感を欠いた戦いぶりが目立ち、21世紀に入ってもその流れは変わらず、2度のセリエB降格を経験。もはや、“古豪”の肩書が、すっかりと板についてしまった。2014年には、外国資本が参入し、カナダ人のジョーイ・サプートがチェアマンに就任したが、それからも好成績を挙げることはできなかった。

 22/23シーズン、序盤戦でチームは5試合を終えて、2分3敗と不振にあえいでいた。サプート・チェアマンは、当時のシニシャ・ミハイロビッチを解任。プリマヴェーラのルカ・ビジャーニ監督が、暫定で1試合を指揮したのち、新監督に任命されたのが、チアゴ・モッタだった。

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