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Jリーグ 4週間前

「迷っているのは事実…」浦和レッズMF伊藤敦樹が明かす心のうち。大型補強で臨む今季、戦術と個性の狭間で揺れる【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

「差別化するために…」大久保智明の中盤起用



「(インサイドハーフに)置かれた意味は背後へのランニングや中央から運ぶこと、他の選手と差別化するためにも、自分はやらなければいけない。仕掛けない、前につっかけないでは、自分が出た意味がないので、そこは意識しました」

 前半から浦和がボールを保持する展開が続くが、スコアレスのままハーフタイムを迎えた。ペア・マティアス・ヘグモ監督は「前半は、大きなチャンスは作れなかったものの、ゲームをコントロールできていたと思います。ハーフタイムでは『後半に入ればよりスペースが生まれてくるので、焦れずにプレーし続けよう』という話をしました」と言う。

 それが48分のグスタフソンのシュート、続く52分のサンタナのシュートシーンへと繋がり、あと一歩でゴールが生まれる決定機を作り出していた。58分にはDF左サイドを深くえぐった渡邊凌磨が、柔らかいクロスをファーに送る。2列目から飛び込んできた伊藤敦樹がフリーとなりヘディングでシュートを狙うが、これは惜しくもポストに嫌われた。「あそこに入れたことは良かったけど決めなければいけないシーン。少し体が流れてしまって、角度はあったけど決めなければいけなかった」と唇を嚙んだ。

 安易にチャンスを逃すと、一転ピンチになるのは“サッカーあるある”でもある。もしかすると、この瞬間に勝利の女神も、へそを曲げてしまったのかもしれない。

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