フットボールチャンネル

日本代表 3週間前

もともと接戦体質。サッカーU-23日本代表、僅差勝ちを可能にする材料とは?【西部の目/U-23アジアカップ】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by 2024 Asian Football Confederation(AFC)

相手の退場で変わった流れ



 U-23カタール代表のGKユセフ・アブドゥラーが退場になったのだ。松木のパスに飛び出したGKアブドゥラーはヘディングでクリアしたのだが、その際に足裏で細谷の腹を蹴ってしまっていた。OFR(オン・フィールド・レビュー)の末、レッドカードが示された。

 これにより、3-4-2-1システムの右シャドーで攻撃の中心になっていたハリド・アリを交代させなければなくなったのもU-23カタール代表にとっては痛手だった。ここからはU-23日本代表が一方的に攻め込む展開になる。

 10人になったU-23カタール代表は5-4-0で、いわゆる「バスを置く」守り方になった。
 
 もともとローブロックのときは5-4-1なので、トップの「1」がいないだけで5-4のブロック自体に変化はない。戦い方がはっきりしたぶん、U-23日本代表はむしろ攻めにくくなった感があった。

 イエローカードをもらっていた松木に代わって後半から藤尾翔太が登場。細谷との2トップになる。しかし、相手が10人のわりには早くボールを失っていて、しかも48分にはFKから逆転ゴールを許してしまった。この時点で、相手の5-4-0への対応ができていないように見えた。

 5-4のブロックは変わらないので、そう簡単に穴が空くわけではない。そのかわり、前線に人がいないからクリアボールは全部拾える。CB2人を余らせる必要がなかった。

 まもなくCB高井幸大を藤田譲瑠チマと並べる形で前に出し、この2人がフリーマン的にボールの経由点となる。これでU-23カタール代表がブロックの前面でボールを奪える可能性が激減し、あとはほぼ攻め続けるだけ。それでもなかなか決定機を作れなかったが、65分にCKから木村誠二がヘディングシュートを決めてようやく振り出しに戻せた。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top