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日本代表 3か月前

サッカーU-23日本代表のまとまりは今大会限定?パリ五輪で壊れる可能性も秘める理由とは【西部の目/U-23アジアカップ】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by 2024 Asian Football Confederation(AFC)
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人が代わっても変わらぬ戦術



 後半に入ると藤田譲瑠チマが攻守をつないでチームを牽引していく。コントロールの正確さ、キックのインパクトの強さ、敏捷性とパワーは圧倒的だった。苦しい局面でも攻守に渡って打開できる能力は大会MVPに相応しかった。

 しかし、その盛り返す勢いも15分間ほどで止まり、再び押し込まれる展開に。62分に松木玖生→荒木遼太郎、藤尾翔太→平河悠の交代を行う。さらに佐藤恵允→山田、山本理仁→川﨑颯太と2回の交代で4人を入れ替えた。人が代わっても戦術は変わらず、選手の特徴は違ってもチームとして同じ水準のプレーができるのは今回のチームの強みである。

 76分、平河が自陣深くから大きく蹴り出したボールを追った荒木が、飛び出してきたGKと激しく激突。衝突した後、額を地面に打ちつけた。脳震とうも疑われたが、荒木は立ち上がってプレーを続ける。この間の中断もあり、ロスタイム表示は11分だった。

 ロスタイムに入ってすぐの91分、U-23日本代表が得点する。

 CB高井幸大が相手陣内でインターセプトし、タックルをヒールキックでかわして藤田へパス。藤田からすかさず荒木へ縦パスが入り、荒木がフリック。テンポの良い展開で時間をもらった山田は狙いすまして力強い左足のシュートをねじ込んだ。ボール奪取からの素早いパスワークによるショートカウンターだった。

 99分、自陣ゴール前で競り合った関根大輝の腕にヘディングシュートが当たり、PKをとられる。しかし、GK小久保がコースを読み切って見事に止めた。

 104分には、衝突後も何事もなかったようにプレーしていた荒木が倒れて担架で運び出される。10人になったU-23日本代表だったが3分間をしのぎきった。

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