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Jリーグ 7か月前

白坂楓馬には目標がある。追求する「横浜F・マリノスのGKがあるべき姿」。2度目の先発でこみ上げる悔しさ【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by Getty Images

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1チームで1人しかプレーすることのできないGKというポジションは特別だ。横浜F・マリノスGK白坂楓馬にとって、5月15日のアルビレックス新潟戦は悔しさを感じるゲームとなった。育成組織出身の白坂には理想像がある。悔しさを糧に、白坂はこれからも「マリノスのGKがあるべき姿」を追い求める。(取材・文:藤井雅彦)

著者プロフィール:藤井雅彦

1983年生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、記者活動をスタートさせる。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』では創刊時から執筆し、06 年途中からマリノス担当に。 現在はサッカー専門誌などにも多数寄稿。「現場に勝るものなし」を信条に、担当クラブのいまを追っている。 WEBマガジン『ヨコハマ・エクスプレス』 主筆

背番号31に訪れた2度目のチャンス

横浜F・マリノスGK白坂楓馬
【写真:Getty Images】

 白坂楓馬はベンチ前で松永成立GKコーチからアドバイスを受けていた。背筋はピンと伸び、表情は少し強張っている。先発出場での勝利がまたしてもお預けとなったアルビレックス新潟戦終了直後のワンシーンである。

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 ミッドウィークに開催された5月15日のJ1第14節・新潟戦で今季2度目のスタメンを飾った。主戦を務めてきたポープ・ウィリアムがコンディション調整のために試合出場を見送ったことで得たチャンスである。

 前半25分、横浜F・マリノスは渡辺皓太のファインゴールで先制に成功する。白坂はビルドアップでスムーズさを欠いた場面こそあったが、数回訪れた被決定機でファインセーブを披露するなど存在感を発揮。無失点で前半を折り返す。

 すると後半の立ち上がりに、試合の流れを大きく左右する一つの出来事が起きた。

 自陣ゴール前からのビルドアップで、ボールは白坂から左センターバックの實藤友紀へ。實藤は相手のプレッシャーを回避するために白坂へリターンしようと試みたが、そのパスが短くなってしまう。ボールを奪った鈴木孝司のシュートコースを消すために体を投げ出したが、シュートは無情にもゴールネットを揺らした。

 その2分後、立て続けに失点して逆転を許す。気持ちを切り替えるだけの時間的猶予もないほどに、あっという間の出来事だった。GKから見てニアサイドを抜かれての失点で、完全に逆を突かれる形でゴールネットを揺らされた。さらに終盤にも相手に追加点を許し、最終スコアは1-3。チームは今季初めての連敗を喫した。

 冒頭のシーンで白坂は松永GKコーチからどのようなアドバイスを受けていたのか。

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