「その2人がいないから…」FWとしての真価が問われる
「この選択が自分にとってもそうですし、チームにとっても間違いじゃなかった、正解だったということを示していくには、もう試合に勝って、1つでも順位を上げるところでしかないと思う。そこに自分の全てをぶつけたい」
磐田でのデビューについて渡邉は「本当に嬉しく思うので。やっぱりそれ以上に、身が引き締まる思いだった」と語るが、次の鹿島アントラーズとのホームゲームでスタメン起用される可能性がかなり高まっている。
新潟戦で一発退場してしまったペイショットは規定通りの裁定となれば、鹿島戦は欠場の見通し。ここまで15得点のジャーメインも累積警告で出場停止となる。前線の二枚看板がいない状況は今シーズン初めてのこととなるが、それこそFWとしての渡邉の真価が問われることになるはずだ。
「どの試合も本当に、目の前の試合に集中して、90分間、ホイッスルが鳴った時に勝ち点3を掴めるように準備するだけだと思うので。二人がいないのは痛いですけど、その2人がいないから勝てないよねって言われてるようじゃ駄目だと思う。僕自身を含めて、チャンスある選手がしっかりと準備して、試合に望んで行かないと勝ち点3というのは難しい」
裏抜けや一瞬の動きだしから、点で合わせるフィニッシュを得意とする渡邉。もちろんFWと言ってもターゲットマンのペイショットとも、幅広く機動力を発揮するジャーメインとも特長が異なる。1トップにしても、誰かと2トップを組むにしても、いかに周りの選手と良い関係で、ゴール前に絶好のパスを呼び込めるか。同じC大阪から加入したジョルディ・クルークスとの連係も期待されるが、まさしく新潟戦で渡邉がジャーメインに出したようなラストパスを引き出していければ、磐田を勝利に導くゴールに近づいていくはずだ。
(取材・文・河治良幸)