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Jリーグ 1か月前

「自分自身に腹を立てた」横浜F・マリノス井上健太の悔しさ募る858分。「最高のエウベルに勝てるように」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by Getty Images

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 横浜F・マリノスの前線には、強力なブラジル人トリオが不動の地位を築き上げる。その中で、井上健太はプレータイムを昨季から大幅に増やし、その牙城を崩そうともがく。「エウベルに勝てるように」。井上は現実に向き合いながら、残された450分で最高の未来をつかみ取る。(取材・文:藤井雅彦)

プロフィール:藤井雅彦

1983年生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、記者活動をスタートさせる。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』では創刊時から執筆し、06 年途中からマリノス担当に。 現在はサッカー専門誌などにも多数寄稿。「現場に勝るものなし」を信条に、担当クラブのいまを追っている。 ウエブマガジン『ヨコハマ・エクスプレス』 主筆

井上健太の成長が垣間見えたサガン鳥栖戦でのワンシーン

井上健太
【写真:Getty Images】

 永戸勝也からパスを受けた天野純が間髪入れずにダイレクトで鋭いクロスを送ると、ニアサイドに走り込んだアンデルソン・ロペスが左足で合わせて豪快にゴールネットを揺らす。昨季得点王の今季20ゴール目が決まり、サガン鳥栖をアウェイの地で撃破した。

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 公式記録には永戸→天野→ロペスの3選手のみが記載された決勝点。永戸の1つ手前でパス交換に関わったのが、井上健太だった。左サイドのタッチライン際にポジションを取り、渡辺皓太からのパスを受けるとワンテンポだけ溜めてDFを引きつけ、永戸の動き出しにピタリと合わせてボールを渡した。

 快足を武器とするウインガーである。この場面は、スピード豊かな縦突破でも、カットインからの美しいシュートでもなく、何の変哲もないインサイドパスだったかもしれない。だが、そこに成長が見え隠れする。落ち着いた状況判断なくして、このゴールは生まれなかった。

 横浜F・マリノスのウイングが個の打開力を求められるポジションなのは間違いない。先発でも途中出場でも、独力で流れを変えるタスクを担っているのも事実である。

 そのために周囲との関わり合いは欠かせない。左ウイングを務めるのならば、左サイドバックとの連係をどれだけ高められるかで自身のパフォーマンスが大きく変わってくる。

 シーズン中盤から試合出場を重ねたことで見えてきた課題をしっかりと認識している。

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