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井手口陽介が長いトンネルから抜け出そうとしている。セルティックではほとんど出番を与えられず、昨季加入のヴィッセル神戸でも前半戦はカップ戦が主戦場だった。そんなときに急遽訪れたターニングポイント。危機感を成長の糧に変えたというある出来事とは。そして自身が目指すボランチ像へ、井手口は歩みを止めない。(取材・文:藤江直人)
直近2年間で全てを手にした井手口陽介
日本の国内三大タイトルを、直近の2シーズンですべて手にした選手が一人だけいる。アビスパ福岡に所属した2023シーズンにYBCルヴァンカップで優勝し、ヴィッセル神戸へ移籍した昨シーズンにはJ1リーグと天皇杯の二冠を制したMF井手口陽介は、個人的な快挙をこう振り返る。
「リーグ戦で優勝したい、とずっと思っていた。やはりカップ戦とは違ったうれしさがあるので」
すべてのタイトル獲得を初めて経験したわけではない。井手口がトップチームに昇格した2014年のガンバ大阪は、史上2チーム目のシーズン三冠独占を達成した。しかし、いずれも優勝を決めた試合でベンチに入れなかった井手口は、未成年とあってリーグ優勝後の歓喜のビールかけにも参加できなかった。
一転して浦和レッズを破った2023シーズンのルヴァンカップ決勝、古巣G大阪を下した昨年11月の天皇杯決勝ではともに先発フル出場。ホームのノエビアスタジアム神戸で湘南ベルマーレに快勝し、史上6チーム目のリーグ戦連覇を達成した同12月のJ1最終節でも先発して87分間プレーし、ビールかけにも参戦した。