「そういう面でも貢献したいんですけど、やっぱり…」
だが、Jリーグのリズムやジャッジに苦しむところもあり、終盤戦は残留争いの中でベンチスタートが続き、プレータイムが後半のアディショナルタイムを含めて数分ということもあった。
それでも初挑戦のJ1で7得点を記録したペイショットは、横浜F・マリノスから来たハッチンソン監督のもと、今季は開幕戦から4-2-1-3のFWとしてスタメン起用され続けており、リーグ戦5試合で4得点という結果で応えている。
「ストライカーにとってはゴールが大事だと思いますし、ストライカーはゴールで生きると思っています。もちろん違う形でハードワークしたり、アシストだったり、そういう面でも貢献したいんですけど、やっぱり自分の一番の役割はゴールだと思っている。そうしてチームの力になれたら幸せですし、どんどん得点を取りにいきたい」
ハッチンソン監督は「ペイショットにはペナルティーエリアの中で、より脅威になることを求めています。良いエリアへ走り込めていますし、今日の2ゴールは非常に素晴らしいものだった」とペイショットのストライカーとしての働きを高く評価しながらも、「いまごろ6、7点取っていてもおかしくはない」と前向きに、さらに厳しい要求をすることも忘れない。
2点目のお膳立てをした佐藤も、そうした役割だけでなく「目に見える数字で、取れるように頑張ります」と意気込む。ここまで2得点の倍井も左ウイングというポジションながら、二桁得点を目標に掲げている。
そうしたアタッカー陣が切磋琢磨しながら得点数を増やしていけば、チーム得点数も増えていくが、やはりチームを引っ張るエースが確立されることが昇格の鍵になることは間違いない。ペイショットはまさしく、そうした存在になりつつある。
現在はブラウブリッツ秋田の小松蓮が6得点でJ2得点ランキングのトップに立っているが、ハッチンソン監督のアタッキングフットボールが成長するほど、新エースが得意の形からゴールネットを揺らす確率は高まっていくはずだ。
(取材・文:河治良幸)
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