「自分が入ってそれを出せば、流れを変えられる」
「自分たちのサッカーができていなかった分、もう少し背後の動きだったり、相手をひっくり返していく中で自分たちのショートカウンターが活きる。背後への動き、背後へのボールが少なかった。自分が入ってそれを出せば、流れを変えられると思った」
曺貴裁監督から託された役割は明確だった。
「お前がサイドの起点になって、縦に仕掛けろ」
背番号2は、それに応えた。ディフェンスラインの背後を突くスルーパスを原大智へ通す。これをラファエル・エリアスが収め、反転しながら丁寧に落とすと、ペナルティエリア内に走り込んできた平戸太貴が左足を振り抜く。これは植田直通にブロックされたが、こぼれたボールを奥川雅也が押し込んでゴールネットを揺らした。
「1点目は特に狙っていた形で取れた」(曺貴裁)
逆転の火蓋が切られた瞬間、止まりかけていた福田の時計が再び動き出した。
「スタートであれ、サブであれ、どんな形でも自分の持てる最大限をやるっていうのをイメージして臨んだゲームだった」
福田を筆頭に、途中から入ってくる選手たちがチームにエネルギーを注入した。「いろんな選手が入ってくると、それぞれの個性というか、いろんなポジティブな面がある」と福田は言う。京都は布陣を柔軟に替えながら、鹿島を苦しめていった。
「うまくそこを活かしながらのポジション変更、フォーメーション変更だったので、そういう意味ですごくうまくクリエイティブに噛み合ったので、あの逆転につながったのかなと思う」