「ダメという烙印を押すのが僕の仕事ではない」「失敗から学ぶという言葉は改めて重い」
柏戦では期待に結果で応えることができなかった。それでも曺監督は福田にもう一度チャンスを与えた。
「選手がダメで替えて、そのままダメという烙印を押すのが僕の仕事ではない。ダメなことを認識しているのであれば、次にチャンスを与えるべき。そのチャンスがなかなか来ないことももちろんありますけど、来たときに何ができるかで、本当にチャンスだったかどうか分かれる」
与えられた「次のチャンス」を「本当のチャンス」に変えた福田。その姿は、曺監督がこれまでも繰り返し口にしてきたリバウンドメンタリティを体現するものだった。指揮官も選手たちの成長には驚きを隠さない。
「ベンチにいる選手も含めて全員の戦いで勝ってきたということを改めて実感しました。キャンプから始まったこの期間で、彼らの成長というのに驚かされるばかりで、監督としてもっと成長しなきゃいけない」
そして、曺監督は福田についても語る。
「よくあの水曜日(柏戦)からリカバーして、今日は攻撃の脅威になってくれた。僕自身もそうですけど、やはり失敗から学ぶという言葉は改めて重い言葉ですけど、なかなか人間としてできることではない。それに向き合うことは辛いと思う。でも、それを跳ね返した彼らのメンタリティも素晴らしい」
「このまま終わるゲームじゃない」
福田は自身の手で、その予感を現実に変えてみせたのだった。
(取材・文:加藤健一)
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