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Jリーグ 8か月前

「自分次第だと…」柏レイソル、熊坂光希がすごい。サッカー日本代表を目指すべき場所に「本当に1年で世界が変わる」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「楽しみな選手」サッカー日本代表指揮官も太鼓判

 65分、途中出場した山田雄士から中央左寄りの位置でボールを受けた熊坂はスルスルとドリブルで持ち上がり、タテパスを送った。これが半田陸に当たってコースが変わり、首尾よく垣田裕暉が収める形になった。次の瞬間、ゴール前に飛び込んだ小泉佳穂にボールが渡り、豪快に右足を一閃。待望の先制弾をもぎ取ることに成功したのだ。

「自分で少し運ぶっていうところもトライしてのぞんだんで、それがいい形に繋がったかなと思います」と背番号27も満面の笑みを浮かべていた。

 この一挙手一投足に視察に訪れていたサッカー日本代表の森保一監督も注目。「得点のところは彼のパスから始まった。ビルドアップの起点と前への配球、出ていくところは碧(田中=リーズ)に似ているところもあります。高さ、球際においても今日はほぼほぼ勝っていた。楽しみな選手ではあると思います」と発言しており、7月のE-1選手権(韓国)の有力候補になり得る存在だと位置づけている様子だった。

 結局、この一撃が決勝点になり、柏は5試合ぶりの勝利を飾り、順位を1つ上げて4位に浮上。フル出場した熊坂も株を上げることになった。日本代表に関しては、少し前までは全く考えていなかったようだが、「目指すべき場所」と彼自身も野心を抱き始めている。

 実際、柏には直近の例として、拓殖大学在学中にプロ入りし、半年でパリ五輪に参戦。その後、日本代表入りを果たし、海外移籍を射止めた関根大輝(スタッド・ランス)という選手がいる。

 1つ年下の右SBの急成長を間近で見ていた熊坂は「本当に1年で世界が変わるというか、自分次第だと思います」と神妙な面持ちで話していた。

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