唯一無二の山口瑠伊の特徴。「自分のことをよく理解してくれている」
それから約3時間後、取材対応中の山口のもとにドレシェヴィッチ、ミッチェル・デュークがやってきた。元チームメイトがハグや握手で再会を喜ぶことは取材エリアでも決して珍しくない光景だ。
ただ、彼らの様子は少し違った。報道陣の質問に答える山口の後ろを通過しながら、後頭部を擦り上げるように触り、振り返ってニヤりと笑う。選手とは一心同体と言われる通訳の村上剛氏も同じ行動、同じ表情を見せた。
フランス人の父、日本人の母のもとに生まれた山口は、日本語、フランス語、4年間暮らしたことで身につけたスペイン語、さらに英語と4ヶ国語を操る。
同じくハーフであるファンウェルメスケルケン際とは日常的に英語で会話し、スペイン語圏であるコロンビア出身のセサル・アイダルから「自分のことをよく理解してくれている選手」に挙げられる。国籍を問わずコミュニケーションを取れることが山口の特徴の一つだ。
当然、ピッチ上でもコミュニケーションを大切にする。連戦でフィールドプレーヤーが入れ替わる中、GKとしてどのようにチームを支えていくのか。7連戦を控えた数週間前、そう問われていた山口はこう答えていた。