わかっていたFC町田ゼルビアの脅威。それでも、対応しきれなかった。

【写真:Getty Images】
「あまり試合経験のない選手が出た場合は後ろからしっかりコミュニケーションを取って、セットプレーのポジショニングや役割は積極的に自分からコーチングしていきたいと思います」
町田戦でまさにそんな場面に直面していた。
15分にすでにボランチの橘田健人が負傷交代していたフロンターレは、33分にセンターバックのジェジエウも負傷交代。車屋紳太郎が出場することになった。
ただでさえ、センターバックがアクシデントで代わるのはチームにとって、GKにとって難しい状況だ。さらに今季、車屋が出場したのはJ1第4節の京都サンガF.C.戦とAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)・リーグステージ第8節のセントラルコースト・マリナーズ戦のみ。そのいずれも山口は欠場していた。公式戦で初めて車屋とともにプレーする機会が急に訪れた。
コミュニケーションを図り、確認作業を行ったつもりだった。それでも、対応しきれなかった。勢いと強さがあると山口も知っていた町田のセットプレー。結果として車屋が絡み、失点を喫してしまう。
山口はすぐに気持ちを切り替えた。車屋をはじめチームメイトにも伝える。
「これ以上の失点はせずに前半を終えよう」
その言葉どおり前半を1失点で終えたが、後半開始早々の53分に2失点目を許してしまう。
「後半は自分たちの試合にしたい。だから攻撃を意識して回数を増やすことを大事にしましたけど、入りのところでは守備を意識していたのに、ちょっとした隙があるところでやられた」