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開幕黒星から4連勝を含む6戦無敗、そして連敗。鬼木達監督が今季から指揮を執る鹿島アントラーズは、内容と結果の両方を追い求めながら、挑戦と修正を繰り返している。約1/4が経過した今、開幕から鹿島が行ってきた試行錯誤の数々をひも解きながら、そのサッカーの全貌を明らかにしていきたい。(文:らいかーると)
鬼木達と鹿島アントラーズのチャレンジ
【写真:Getty Images】
昨年の順位は5位と決して悪くはない成績だった鹿島アントラーズ。しかし、ランコ・ポポヴィッチ監督はシーズンの途中で解任され、川崎フロンターレで一時代を築いた鬼木達が鹿島の新監督に就任した。
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風間八宏元監督の遺産と大卒新人の大当たりが続きすぎたことで、川崎の最強感は本当に鬼木監督の価値を示したものなのかどうか、懐疑的な視点は確かに存在している。選手時代を過ごした鹿島での再チャレンジによって、鬼木監督の真価が問われることは間違いない。
結果を言えば、開幕戦こそ躓いたものの、結果を残しながらの修正という流れに成功しているのはさすがというべきだろう。そんな鬼木監督と鹿島の序盤戦のチャレンジについて、みんなで考えていきたい。
最初にポポヴィッチのサッカーについて簡単に振り返っておく。ビルドアップを捨てたかのようなサッカーであったが、関川郁万、植田直通の両者は時間とスペースを配れないけれど、ロングボールを中心としたサッカーを得意としている側面を持っていた。
GK早川友基をエクストラセンターバックとした3バックで相手のプレッシングを牽制し、質の高いロングボールを蹴りまくる目的地には師岡柊生、鈴木優磨、仲間隼斗が奮闘する形でマイボールにすることに成功していた。
ビルドアップの出口として求められるよりも、ロングボール戦術のなかで、トランジションに備えることがメインパートになったセントラルハーフコンビ。ブンデスリーガでも話題になっている佐野海舟、まさかのコンバートで大ブレイクを果たした知念慶のコンビのボールを奪い切る力は国内屈指のコンビとして大暴れをしていた。
ロングボールだけではなく、鈴木優磨と愉快な仲間たち(師岡、仲間、名古新太郎)と安西幸輝の能力を活かしたショートパスによる前進もときには機能していた。特に左サイドバックの安西は予想を裏切るような成長を見せつけ、左サイドで作って、右サイドの濃野公人が仕留める形は今でも再利用されている。
問題があったとすれば、鈴木と愉快な仲間たち問題だろう。