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Jリーグ 8か月前

ルカオはなぜ子どもの心を掴むのか? ファジアーノ岡山の「心優しき重戦車」のルーツは「悲しかった」少年時代の記憶【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by Getty Images

「岡山に来たときと比べたら、別人だと思うくらい」「昨季のプレーオフくらいから各段に向上している」

「(ルカオがJ1リーグでも)相手にとって非常に嫌な存在になるのではと思っていました。でも、その中でトレーニングでも努力して、味方を使うところ、自分で行くところ、シュートじゃなくてチャンスメイクするところ、シュートを打つところなどの判断は昨季のプレーオフくらいから格段に向上している。彼の努力あっての進化かなと思います」(木山監督)

「僕はルカオが岡山に来たときから知っています。そのときと比べたら、別人だと思うくらい今はすごい。スピードは元々あったけど、特にキープのところ。相手ボールになってもおかしくない局面でも前に行けたり、入れ替わってマイボールにしたり。これまではあまりそういうシーンはなかった。彼は自信を持ってやることの大切さをすごく実感していると思うし、そういう部分は自分も学びながらやっていきたい」(柳育崇)

 先発出場でも途中出場でもピッチに立てば、必ずと言っていいほど流れを力強く引き寄せてくれる。「何かを起こしてくれるのではないか」と期待させてくれる。“ゲームチェンジャー”としての働きはリーグ屈指と言っても過言ではない。ルカオ自身も「開幕からメンタル的にもフィジカル的にもしっかりとやれている。それに対して相手に警戒されたり、たくさんの人から注目されたりしているのは非常にうれしく思う」と手ごたえ十分だ。

 来日7年目でたどり着いた国内最高峰の舞台を震撼させているルカオだが、彼の魅力は強さや速さだけではない。ファン・サポーターへの感謝を常に持ち、それを行動で示すことのできる素晴らしい人間性の持ち主でもある。

 特に子どもへのファンサービスは、“神対応”だ。練習場ではトレーニング終了後、防球ネットの近くで見学する子どもたちに歩み寄り、手を振ったり通訳を介して質問に答えたりしてコミュニケーションを取る。ファンサービスゾーンでは、丁寧にサインを描き、写真撮影時は中腰になって子どもと目線を合わせて応じる。

 どんなに疲れていても、キッズとの交流は欠かせない。そんな姿勢には原体験があった。

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