「悲しかった」少年時代の記憶。スタジアムには99番の子どもたちが…
「僕も子どもの頃はサッカーチームのサポーターだったのですが、良い対応をしてくれなくて残念だったし、悲しかったことを覚えています。だからこそ、僕は子どもたちをガッカリさせたくない。できるだけサインをあげたり、一言を掛けてあげたりしたい。それが大事だと思っているし、喜ぶ子どもの顔を見るとうれしい気持ちになる。だから、続けていきたい」
丁寧な対応は、子どもたちの心を確実に掴んでいる。スタジアム周辺の広場には99番のユニフォームを着た小学生で溢れかえり、スタンドにはルカオの名前入りタオルやゲートフラッグを掲げる小さなサポーターの姿が並ぶ。
岡山の子どもたちがルカオに憧れて応援し、それを受け取ったルカオが先頭に立ってJ1の強豪をなぎ倒していく。サッカーを通して夢や希望を与える構図は、クラブが草創期から提唱してきた「子どもたちに夢を!」という理念そのものだ。
「会長や強化部長は事あるごとに理念について伝えてくれますし、僕はそれ自体にすごく賛成しています。子どもたちからの応援は本当に力になるし、子どもたちを見ると自分の子どものことも思い出すので、とても大きなパワーになるんです。これからも子どもたちに夢を与えていきたいです」
子どもたちからの応援を燃料に変えて。心優しき岡山の重戦車は岡山に夢を届けるために、チームを力強く推進させる。
(取材・文:難波拓未)
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