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Jリーグ 8か月前

「余裕があるわけではない」アビスパ福岡、強さの理由。藤本一輝が言う「そこは昨年の町田とは違う」もの【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

藤本一輝が右足一閃!「相手GKもたぶん…」

 案の定、前半から積極的に試合を運んだのは福岡。特に際立っていたのが、左MFに陣取った藤本一輝の突破力だ。

 この日はマリノスの右サイドバック(SB)に本職でない宮市亮が入ったことで、金監督も「藤本と左SBの志知孝明の連係と推進力で局面を打開してゴールに向かう」と2人に徹底。藤本は特に積極的な仕掛けが目立った。

 けれども、そんな福岡の隙を突いてマリノスの遠野大弥が開始11分に見事なミドルを決め、先制点をゲット。これは福岡にとって誤算だったに違いない。

 藤枝明誠高校時代の同期・藤本は「大弥はいい友達。意識するとかそういうことはないです」と淡々としていたが、「負けられない」という思いはどこかにあったはず。失点後もグイグイと飛ばしていき、敵に脅威をもたらした。

 アグレッシブな姿勢が結実したのが、37分の同点弾だ。相手のスローインを福岡の前嶋洋太がカット。名古新太郎が収め、見木友哉を経由し、ペナルティエリアの外側でボールを受けた藤本は迷うことなく右足を一閃。ゴール左隅に豪快な一発を決めたのだ。

「コンパクトに振って、相手GKもたぶん見えないところだったんで、抑えて打つことができてよかったですね」と本人もしてやったりの表情を浮かべていた。これが福岡移籍後初ゴール。地元で存在感を示したことで、安堵感を覚えたのではないだろうか。
 

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