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Jリーグ 8か月前

「チームのために全力を」なぜマテウス・サヴィオは得点に絡み始めたのか?ある選手との共通理解が浦和レッズを変えた【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

守備のバランスを保ちつつ、マテウスの特徴を活かす。その解決策とは

浦和レッズ
【写真:Getty Images】

 組織的な守備をベースにするマチェイ・スコルジャ監督のスタイルだと、チーム全体が下がるほど、左サイドハーフのマテウスもポジションを下げてしまい、相手ゴールとの距離が遠くなるという傾向がある。その点については左サイドでコンビを組む長沼洋一も「守備にめちゃくちゃ戻しちゃってる。それで出て行けって、めっちゃきついだろうなと思いながら、でもこっちからしたらありがたいけど」と明かしている。

 ただ、ここまでの試合に比べるとマリノス戦、特に前半は高い位置で守備ができていたために、攻撃のスタート地点も高めだった。また、時間帯に応じて渡邊とマテウスがポジションを入れ替えることも多く、サイドハーフの守備負担をシェアしている部分もある。守備のバランスを崩すことなく、相手の脅威になれるマテウスに攻撃でパワーを使わせるということが、チームで徐々に共有されてきているのは良い流れだろう。

 64分に投入された松本泰志はマテウスからバトンを受け取るような形で、同時に投入された原口元気とともに奮闘して、浦和の勝利に貢献した。そして、マテウスのFKをベンチで見ていたときのことを明かしてくれた。

「ここで入ったら俺ら乗ってるね、みたいにベンチで話していたら入った。このチーム乗ってるなって思いました」。勝利の鍵を握る存在として、マテウスに対する期待は俄然、高まっている。

「ピッチにいる時は楽しんでプレーしたいという気持ちが強いです。ただし、チームのために全力を尽くして、勝利のためのプレーをしていきたいという気持ちも強いです。もちろん自分のチャントを聴いたときには非常に嬉しくなるんですけど、チームの勝利のために献身性を持って、自分のベストを尽くして頑張っていけたらと思います」

 ゴール裏から“クラッキ・ジ・ウラワ”と歌われることに関して、マテウスはそう語った。序盤戦の苦しい時期を乗り越えて、上昇気流に乗ってきた浦和。その攻撃の中心を担う“クラッキ”がここからどういうプレーを見せて、チームを勝利に導いていくのか。

(取材・文:河治良幸)

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【了】

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