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Jリーグ 2か月前

「だったら、いつもどおりで…」ジェフ千葉、鈴木大輔は思い出していた…1年前の屈辱を。自然と上回った危機感の正体【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典

予想外だったブラウブリッツ秋田の戦い方。それでも焦りは…

「昨年のことがありましたから。監督もハーフタイムに言っていました。『相手は内容が良かろうが悪かろうがブレずに逆転する力を持っている。だから後半は最初の10分がすごく大事だ』と」

 鈴木大の考えも同じだった。さらにそのとき彼が思い出していたのは、昨年の秋田戦だけでなく、2節前の藤枝MYFC戦のこと。前半で3点をリードしながら2点を返され、終盤はピンチもありながら何とか守り切って勝利した試合だった。

「だから、2点差はセーフティーじゃない。次の1点が大事だと思っていました」

 鈴木大の期待どおり、攻撃陣は後半開始直後後に3点目を奪ってくれた。

 それから千葉は4-4-2のブロックを組んで構えた。後半開始からその様子は見られたが、3点をリードしたことで明確に失点をしない戦い方にシフトした。

「相手にボールを持たせる感覚です。あとはもう跳ね返せばいい。全体をコンパクトにして、跳ね返す」

 もっとも、相手の戦い方は鈴木大の予想と少し違っていた。秋田はそもそもロングボールの競り合いやこぼれ球奪取の強さを特長とするチームである。後半開始早々に3点目を失い、なりふり構わずロングボールを放り込んでくろうと同選手は考えていたのだ。

「でも、意外にパスを回してきた」

 だが、予想と異なるからといって焦ることはなかった。

「だったら、いつもどおりに戦えばいい。秋田だからどうとかじゃなくて、パスを回してくる相手に対してしっかり対応するだけ」

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